国連気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)はバリ・ロードマップを採択しました。国際社会が地球温暖化対策に協調して取り組みだした会議として歴史に残るでしょう。先ず参加することに意義がある会議でした。
京都議定書から脱退したアメリカが国際会議に復帰したのは大いなる前進です。中国を始めとしたBRICs諸国などの急成長国も参加しました。発展途上国の参加もあり、国際社会が一致を目指して、国益の違いを乗り越えました。
数値目標に拘るヨーロッパ、EU諸国とアメリカとの対立が最後まで続きましたが、決議が採択されたことは人類にとって大きな一歩です。温暖化ガス削減は環境問題である以上に経済問題でしたから、国益が錯綜しているからです。
西欧がエネルギー大量消費社会から発想の転換をし、省エネ社会を目指そうとしていますが、前途には課題が山積しています。一方BRICs諸国のエネルギー消費も急拡大しています。中国の炭酸ガス排出量はアメリカを抜きました。
日本は産業界の省エネは進みましたが、家庭、事務所、自動車の炭酸ガス排出が拡大しています。京都議定書の目標値は達成できないかも知れません。特に原発の稼働率が下がっているのが炭酸ガスの排出量を押し上げています。
炭酸ガス対策は先進国、BRICsを初めとする急成長国、未開発国、それぞれに相応しい対策があるようです。特に先進国は産業構造を省エネ、省資源型に変える必要がありますが、日常生活もエコライクに変える必要があります。
急成長国は先ずエネルギー源から省エネ化をする必要があります。そのためには先進国からの省エネ技術の移転が急がれます。西欧の市場重視の姿勢からは先進技術を独占し、環境問題を急成長国に丸投げする姿勢が透けて見えます。
しかし、産業廃棄物ならば急成長国に処理を委ねればよいかも知れませんが、炭酸ガス濃度の上昇は地球の裏側の国にも等しく影響しますから、一国平和主義は成り立ちません。国際協調なしには温暖化と戦うことはできないのです。
省エネ、省資源技術の移転は国家間の取り決めにより、経済の論理を超えて行われるべきです。市場に委ねれば短期的な利益を求める経済活動しか行われないからです。政治主導の国際協調が長期的な技術移転を促進するからです。
日本の省エネ技術は世界でもトップクラスにありますから、技術移転をODAを利用したプロジェクトとしてアジア、アフリカ諸国で行うべきです。原子力発電所は諸刃の剣ですが、炭酸ガス放出量を激減させる手段として有効です。
電力の不足が燃料不足を招き、森林破壊を生み出す面もありますが、電力供給が安定しなければ経済も活性化されないからです。経済力が向上しなければ、森林を守る余裕も生まれないからです。経済力の向上も必要不可欠なのです。
中国のエネルギー消費の急増を発電所の効率化により緩和しなければなりません。中国には核拡散の問題もありませんから、原電の輸出が効率的です。日本の原電技術もトップクラスですから、日中貿易に寄与することもできます。
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